陶磁器とは

陶磁器とは

陶磁器とは焼き物全般の総称名を言い、釉薬の使用・不使用や、焼成温度の違いなどによって、細かく分類されます。
日本では約1万2000年前に、土器という陶磁器の前の姿になるものが発見されています。
(土器・・・素焼きの焼き物で、700度~900度の温度で焼かれたもの)
最初に作られていた土器は釉薬をかけずに作られた器で、これが元となり、陶器や磁器へと歴史的に変化していきました。

日本では、「瀬戸物」とも呼ばれており、地域によっては「唐津物」とも呼ばれています。
この呼び方も細かく分類すると50以上に分かれており、焼き方や生産地などによってそれぞれ違います。

陶器と磁器の違い

陶器とは、カオリンという成分を含まない粘土を、1800度~2100度の低温で焼きあげた、吸水性のある粘土で作られていて、透明度がありません。
土ものと呼ばれていて、指で叩いてもはっきりと音が鳴らず、鈍い音がします。
厚みがある仕上がりになり、多孔質でざらついた手触りや手作り感がある歪んだ仕上がりになるのが特徴的です。
主に益子焼や萩焼、薩摩焼がこれに分類されます。

一方磁器は、長石が主成分となり、磁土を2200度~2600度で焼きあげた、気孔がなく吸水性もない、石を粉砕した陶器が原料となります。
薄さや軽さがあるにも関わらず密度が高いため強度があり、滑らかに仕上がるのが特徴です。
叩くと高温が響き、色は白を基調としているものが多く見られます。
主に有田焼や九谷焼、砥部焼などがこれに分類されます。

海外にも影響を与えた陶磁器

ヨーロッパ磁器にも影響を与えたのが日本の磁器で、熱狂的な程の支持を受けていました。
きっかけは、磁器生産の先進国であった中国からの輸出が停止されたことで、日本製の磁器が注目されることになり、1647年に中国人の商人によって伊万里磁器が輸出されたことから始まります。

さらに1659年頃から日本の多くの磁器が本格的に中東やヨーロッパに輸出されていき、最盛期を迎えていったのです。
美しい磁器に虜となった王侯貴族は、日本の磁器を手に入れるためだけに東洋から入る船を待機させる程になっていったと言われる程、海外では根強い人気を誇っていました。

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