西洋絵画-ゴシック-

ゴシック美術の歴史

ゴシック美術は、ロマネスク美術の延長線上の位置づけにあり、12世紀半ばごろから歴史は始まりました。
「ゴシック」という言葉には、ゲルマン系ゴート族に由来した意味があり、野蛮という意味合いで、ルネサンスの人々が軽蔑的に見て使った言葉だと言われています。

ロマネスク美術と比べると、象徴的で抽象的な表現で対照的であり、人間的で写実的な表現で描かれています。
時にゴシック美術では、動きがあるものの、どこがぎこちない作風の物が多くあり、使われている色彩は色が淡く、明るい物が多くなっています。

ゴシック美術の始まりの時代

ゴシック美術はフランスのパリを中心とするイルドフランス地方が発端と言われています。
発端の12世紀半ばの時期は、ロマネスク時代と重なっており、宗教美術を中心に修道院などで多くみられています。
その後発展していき、中世のヨーロッパを代表とする美術品となっていきます。

このゴシック様式の直接のきっかけとなるのは、パリ北郊にあるサンドニ大修道院が改築するために全ヨーロッパの工芸家や彫刻家、建築家などが集結したことが、ゴシック様式のきっかけとなったと言われています。
そのため最初は建築物に対して、ゴシックという言葉が使われていましたが、徐々に意味を変えて、美術でも使用されるようになりました。

ゴシック美術の主な特徴

ゴシック美術で主に描かれているのは、修道院に多くあることから宗教画が主でした。
宗教画には説得力もあり、精神性が感じられたり、優雅な線で描かれていることが目立つのが特徴です。
特に人物に関しては、表情があり、より実写的に描かれていることが多く、遠近法なども取り入れられていることから、人物が感じているものが伝わりやすい手法となります。

さらにゴシック美術も進化していき、時代が進んでいくことで、描かれている装飾品が優雅になったり、表現も豊かになっているなど、ヨーロッパ内で芸術品が行き来する中で様々な各地の様式が取り入れられていきます。
16世紀にはルネッサンス様式が交わる後期ゴシック美術も出てきて、新たな進化を遂げました。

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