骨董品とされる鉄瓶とは

骨董品とされる鉄瓶とは

鉄瓶とは

鉄瓶とは、鉄で出来ている小さいやかんのような形のもので、鉄釜に取っ手と注ぐ口を取り付けたものが鉄瓶の原型となります。
囲炉裏などの火の上に吊るされているため、地域によっては馴染みのあるものですが、日本では、茶道で用いられている茶釜に取っ手と注ぐ口を取り付けたものがきっかけで、江戸時代には既に鉄瓶があったとされています。
そのため、日本の茶道では今でも鉄瓶が欠かせない道具の一つになっています。
窯でお湯を沸かして、そのお湯を竹の柄杓で入れていき、煎茶を楽しむのが主流でしたが、この鉄瓶も丁寧な工程によって作られることで、お湯の質感やまろやかさに違いが出てくると言われています。

骨董品とされる鉄瓶

同じ鉄瓶でも、地域や生産方法に違いがあります。
盛岡で製造されているものは南部鉄器と呼ばれ、蓋が鉄製であり摘みが一体型で黒くくすんだものが多くなっていますが、京都など関西地方で製造されていた京瓶などは、蓋が銅製であり梅の摘が付いていて、釜底には鳴り金がついています。
茶道で用いられている釜に、取っ手をつけたようなものが多くなっているのが特徴です。
日本では茶道の中で鉄瓶が使われてきましたが、鉄瓶という言葉が使われ始めたのは江戸時代の天明年間からであり、この時期には現在の鉄瓶の形が完成していたと言われています。
実は中国でも同じ時期に茶道具が進化を遂げており、日本と同じように鉄瓶に近いものが作られていたようです。
そのため、骨董品とされる鉄瓶は日本で作られたものだけではなく、中国で作られていた鉄瓶も含まれます。
どちらもお湯を沸かすという役割は同じですが、芸術的に見てもシンプルで美しい鉄瓶は骨董的な価値も高くなると言えるでしょう。

鉄瓶には長い歴史があるだけでなく、中国や日本の収集家からも人気があるため、価値は高くなっています。
骨董品の正しい価値を知るには、骨董品鑑定士や美術鑑定士がいる骨董品店を利用してみましょう。

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