茶道具の種類
お茶をやっている人にとっては、「茶道具」は、慣れ親しんだものかもしれません。
しかし、「親が残した茶道具があるんだけど」という人にとっては、「それがどのような価値を持つか」の前に、「茶道具にはそもそもどんな種類があるのか」を覚える必要があります。
そこでここでは、茶道具の種類と、その特徴についてみていくことにします。
基本から押さえよう、茶道具のいろいろ
茶道具、といえば、まず真っ先に思い浮かべるのが、「茶碗」です。
言うまでもなく、お茶を飲むために使うものです。
ちなみに、茶道においては、「薄茶用」と「濃茶用」に分けられます。
「茶入れ」と呼ばれるものは、「仕覆」と呼ばれる布に包んで使います。
これにはきっちりとした「格」が存在し、お稽古が進んでいない間は、格上のものは使えません。
戦国時代には非常に珍重され、命や城以上の価値を持つこともありました。
「薄器」と呼ばれるものは、薄茶を入れておくときに使うものです。
植物である「棗」と形が似ていること、そしてこれが代表例であることから、この呼び名で呼ばれることもあります。
周辺の道具、幅広い意味での「茶道具」
「茶杓」は、多くの人が知っているものでしょう。
薄器や茶入れからお茶をすくいあげるためのものであり、さまざまな素材が使われています。
お茶をたてるときに使う「茶筅」は、とても大事なものです。
しかしこれは消耗品として位置づけられています。
しかし、少し視界を広げれば、茶巾や釜、ひしゃくや水次といったものも、もちろん「茶道具」の一つである、とわかるでしょう。
また、「お茶をたてる空間、お茶を飲む空間を楽しむ」ということを考えれば、その部屋の調度品もまた、広い意味では茶道具にカウントされるのかもしれません。
特に、掛け軸などは、季節や雰囲気を味わう上で、非常に重要なものだと言えるでしょう。