日本の有名な版画家
版画家、というカテゴリーは、いわゆる「書」「絵」「器」などに比べればマイナーだと思われる人もいるかもしれません。
しかし、素晴らしい作品を残す、有名な版画家がいるのも事実です。
今回は、日本史上に燦然と輝く、有名な2名の版画家をご紹介します。(以下敬称略)
川瀬巴水(かわせ はすい)
川瀬巴水は大正・昭和期に活躍した版画家です。
1883年に生まれ、10代の頃から画家を目指していましたが、家業を継いだことで一度夢は途絶えます。
しかし夢を諦めきれず27歳の時に日本画家・鏑木清方に入門しました。
当時浮世絵版画が衰退する中、川瀬巴水は新たな技法を用いて2,000点以上の版画を作成します。
伝統的な版画の復興を目指しました版画は「新版画」と呼ばれ、日本美術の新しい存在として衝撃を与えました。
詩情的な風景版画を数多く残しており、国内よりもむしろ海外での評価が高い作家です。
吉田博(よしだ ひろし)
1876年に誕生した版画家で、小山正太に入門し風景写生の技を磨いていきます。。
日本国内にとどまらず、1899年に渡米し展覧会を開催。展覧会で成功を収め、その後イギリスやフランスなどに渡欧します。
その後もさまざまな大会でその功績が認められてきました。
彼の作る版画は、風景画を題材とし、特に山岳を愛し多くの版画に鉱山が描かれています。
草間彌生(くさま やよい)
草間彌生は、「前衛の女王」の異名を持つ現代の日本芸術家です。
幼い頃から統合失調症を病み、幻聴や幻覚から逃れるために絵を描き始めました。
絵画などの平面作品、彫刻などの立体作品の両方にドットをモチーフとした作品が多くあります。
また作品のみならずそのパフォーマンス、行動力から1960年代には「前衛の女王」の異名をとります。
その他、小説や詩集の発売、映画への出演など幅広く活動しており、現在は商業分野の活動も盛んに行っています。