備前焼には種類がある?
焼き物にあまり詳しくない人の場合、焼き物は産地や、○○焼、というくくりで分けられると思っているかもしれません。
もちろんこれも間違いではありません。
ただ実際には、○○焼、のなかでも、さらに特徴や手法によって細分化されることがよくあります。
今回は備前焼の種類についてみていきましょう。
何によって分けられるのか
焼き物の分別方法はさまざまです。
年代で分ける方法もあれば、出来上がりのデザインで分けることもあります。
窯元によってそれぞれ特徴がありますから、●●派、という形で分けられるというケースもあります。
備前焼の場合、主に、仕上がりのデザインによって分けられることが多いようです。
備前焼の種類について
備前焼は、基本的には絵付けをしません。
そのため、窯のなかでの焼き上げが大きく問われます。
よく目にするのが、「胡麻」と呼ばれるものです。
これは燃料の一つである「赤松」が陶器にくっついてできるもので、その名称の通り、陶器の表面に胡麻をまぶしたような焼き上がりになります。
ただ、単純に「胡麻」といっても、同じものはありません。窯に置いたときの角度や個数によって、微妙に胡麻の付き方が変わってくるからです。
備前焼の歴史や成り立ちを感じることができるのが、「緋襷」(ひだすき)と呼ばれるものです。
今とは違い、昔は、大きな器を運ぶとき、縄で縛って運んでいました。
この縄をとることなく焼き上げると、それが模様となって残ったと言われています。
運搬技術が発達した今では、デザイン目的で残った手法です。
炭が鉄分と反応することを利用して作られているのが、「桟切り」という手法です。
不確実性が高く、それ故、まったく違った顔の作品ができあがるということで、この手法も人気です。
そのほか、あえて高温にさらすことによって独特の発色をもたらすものもあります。
ただこの手法は非常に難しく、なかなか目にすることはありません。