掛け軸の有名作家
掛け軸の有名作家
床の間を彩るための掛け軸でも、作家や表具に仕立て方によって雰囲気が大きく変わってきます。
中国から日本に伝わってきたとされている掛け軸は、茶道の広がりと共に人気になりました。
特に掛け軸作家において有名な人物をご紹介していきましょう。
日本画の巨匠と呼ばれている横山大観は、1896年に日本美術院を創設し、その後も日本画壇の重鎮として名作を多く生み出した作家です。
秩父宮家創設時に皇室に献上された「秩父霊峰春暁」や、童子が川辺にたたずむ姿を描いた「無我」など有名作品が多く、生涯画家として活躍しました。
気品ある女性を多く描いてきた上村松園は、京風族や古典文学から得たことを生かし、美人画を主に描いた作家です。
女性初の文化勲章受章作となる「序の舞」など、色鮮やかでおしとやかな女性が美しい作品を多く残しています。
四季折々の姿をモチーフとして、花鳥画において高く評価されている佐藤眉山は、日春展入選に輝く日本画家です。
幻想的な色使いが素晴らしい「黎明山水」や、色鮮やかな紅白の牡丹が彩る「瑞色富貴之図」などが有名です。
花鳥や山水画を得意とする画家の美濃正堂は、国際美術審議会ポルトガル展受賞や日本現代美術家連盟受賞など、多くの作品が受賞していて、その中でも淡い色使いと心が穏やかになるような安らぎを与えてくれる「渓流」や「瀑聲」などの作品が有名です。
掛け軸が評価されるために
掛け軸は作品としての価値も求められますが、それ以外にも表具の仕立てによってその価値が決まってきます。
表具の仕上がり、絵柄とのバランス、作家の書いた時期によっても評価が大きく変わってしまうのです。
掛け軸は、江戸時代から大正時代にかけて大きな発展をしてきましたが、現在の住宅では和室や床の間がない住宅も多く、掛け軸を飾る家庭も少なくなってしまいました。
しかし、骨董品としての価値は高く、愛好家には貴重な掛け軸も多く存在します。
掛け軸はあるが飾る場所がない、掛け軸の価値を知りたいという場合には、骨董品店で鑑定をしてもらいましょう。