掛け軸の掛け方
掛け軸は、箱などから取り出したら、巻緒をほどいて畳の上で天の部分まで広げて風帯の折れ癖がないかなどを確認します。
この時点で折れ癖がある場合は、指で丁寧に直していきます。
矢筈(やはず)を持って掛緒に掛け、左手で真中を持ち床の釘に掛けましょう。
掛かったら矢筈を取り外し、両手で紬先を持って静かに下ろしていきます。
下した時に巻癖がついてしまった場合は、軽く逆側にひと巻きして直します。
掛けた後、少し離れた場所から表具の高さや左右のバランスなどを確認してください。
上下のバランスが良くない場合には、釘の位置を変えるなどしてみましょう。
床に良くおさまったら風で掛け軸が揺れないように風鎮(ふうちん)を掛けます。
掛ける場所は?
掛け軸を掛けるのは、和室内の畳よりも一段高くなっている神聖な場所の床の間が良いでしょう。
床の間は、出入り口よりも遠くて落ち着いた場所にあり、部屋の上座に位置する場所となります。
室町時代から主君が誰かと面会する時に座った上段の間というものが始まりと言われており、その後茶室でも取り入れられるようになってから、現在の床の間の形式がとられるようになりました。
茶道において、茶だけではなく茶室の床の間をどう飾るかも重要なポイントにされています。
その中で掛け軸というものは床の間を飾る上で大切なアイテムなのです。
掛け軸を飾るにふさわしいのは床の間と言えるでしょう。
ただ、現在では和室を設けていない家も多く、床の間に飾りたくても飾れないという方が多いかと思います。
そういった時は無理に掛け軸を飾る場所をわざわざ作らなくても、リビングや客室に飾っても全く問題はありません。
掛け軸を洋室に飾る時は、なるべく掛け軸を掛ける場所を床の間のように仕立てることで、より掛け軸の雰囲気を楽しむことができます。
例えば、掛け軸の下だけ畳を置いてみたり、他に壁に飾っているものとは少し離して、そのスペースだけ別離されているイメージで作ったりすると、和の雰囲気を高められます。
ぜひ試してみてください。