日本画 -浮世絵-

浮世絵の誕生と時代背景

浮世絵は庶民風俗画として、歓楽境「浮世」を描いたもので、江戸時代に江戸を中心に多く誕生しました。
そのため風俗画が多く、遊女や役者などを描いた作品が数多く生み出されました。
絵画の技術としては極めて洗礼され、美しくしなやかに描かれ、「美」とされる世界観が発展するきっかけともなりました。

また、木版画の形式が多く使われ、安価で大量生産が可能なものとしたのも庶民に親しまれるきっかけとなりました。
この時代の庶民生活は決して裕福ではなかったため、庶民の歓楽を描いた安価な芸術品は徐々に人気を集め発達し、単色刷りから徐々に彩色刷りを誕生するようになったのです。

浮世絵を代表する作者

浮世絵には数々の作者が存在しますが、中でも代表的な有名作者は葛飾北斎や喜多川歌麿・歌川広重などです。
中でも葛飾北斎は「富獄三十六景」が有名ですが、その他にも森羅万像を描き、生涯で3万点を超える作品を誕生させました。
版画以外にも肉筆浮世絵にも意欲的で、作品を多く生み出しています。
現代でも葛飾北斎の絵画を目にすることが多いほどに、世界的な浮世絵師の画家とされています。

また、喜多川歌麿は写楽や美人画などを描き、世に作品を残しています。
特に美人画では女性の官能的な美しさを表現し、人物表現の極致とされています。
歌川広重は「名所江戸百景」を晩年期の傑作とし、人の細かい動きや自然の雨の強弱を表現することに長け、経常的表現が素晴らしく評価されています。

浮世絵の技法の特徴

浮世絵ではモデルとなる人物や風景とは別に独特の技法があります。
元々始めは筆を使用し墨の線だけで表現しており、その後色をつけられるようになりました。
さらに色が増えるにつれ大量生産のために版画が用いられるようになったのです。
始めは単色でしたが、徐々に多くの色を使用するようになり、最終的な「浮世絵」と呼ばれる時代を代表する絵画となったのです。

また、木版画には筆で絵を描いてから版朴に彫り、色を付けて刷る作業がありましたが、これにはそれぞれの専門家がおり、工程ごとに割り振られていました。
そのため、実際には最初の絵を描く作業以外は専門家が行っていた、ということになります。

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