有名な茶道具作家
「茶道具」と一口にいっても、その種類は実にさまざまです。
また、その値段も、作家によって大きく違います。
そこでここでは、有名な茶道具作家を何人か紹介していきましょう。
「侘びの美」を尊ぶ声
もっとも有名な茶道具の作家は、おそらく、「千利休」でしょう。この名前は、お茶に興味がない人でも知っているのではないでしょうか。
彼は「利休宗易」という名称でも知られており、現代における茶道の基本を作った人としてよく知られています。
侘びさびの美を尊び、織田信長や豊臣秀吉など、名だたる大名に仕えたことでも知られています。
非常にシンプルな美しさを愛しており、特に黒楽茶碗と呼ばれるものは枯れの代名詞ともなっています。
漫画などさまざまなメディアにも取り上げられており、非常に有名な茶道具作家にして茶人です。彼の茶室は、唯一京都に遺されており、国宝に指定されています。
華やかさ、柔軟な美、現在は隠居した裏千家の名手
千利休はそれこそ「歴史上の人物」ですが、現在の茶人として有名な十五代鵬雲斎は、1923年に誕生した人です。
その器は侘びさびの感じられるものが多いのですが、「好み物」と呼ばれるものはさまざまな方向性に分かれており、華やかな作品が多いことでも知られています。
柔軟でいながらひねたところがなく、誰にでも愛される茶道具を打ち出しました。
それは彼自身の人格の表れでもあると言われており、後世においても、間違いなく名前を残す名人であると言えるでしょう。
ちなみに、2002年、現役を退き、隠居されています。
それ以外にも、さまざまな茶道具作家がいます。茶道は流派が分かれており、それぞれに有名な人がいます。
茶人としての名、そして茶道具作家としての名。それは単なる「道具の特徴」「人間一人の生き様」としてだけでなく、「茶道の歴史」そのものの歩みと言えるのかもしれません。