劉墉とは
劉墉とは、清時代中期に活躍した政治家で、同時に書家でもある人物です。
山東省諸城の人であり、劉統勲の長子として誕生しました。
唐・玄宗の時代から高名な儒学者や学士を集めて詔勅の起草を行うなど主に皇帝の諮問を対応していた官庁・翰林院に仕えていたことから深い知識を持つ人物であることが窺い知れますが、詩文や書法を得意としていたことも翰林院で仕えることになった要因ではないかと考えられます。
劉墉の書法は元々趙孟頫や董其昌から学んだと言われています。
その後、鍾繇や王羲之、虞世南、顔真卿からも書法を学んでおり、これらの書法をオリジナルにミックスすることによって劉墉独自の書法を作り上げていきました。
その結果、中年期には一派を成す程にまで劉墉の書法を広めることに成功しています。
劉墉の作品について
劉墉の作品は楷書や行書が特に高い評価を得ています。
書の一つひとつの線に重厚感が表れており、まさに芸術的だと言っても過言ではありません。
書法は鍾繇や顔真卿が特に影響を受けている部分が多いと言われていますが、学んだことを自身がアレンジしオリジナルの書法として書き上げられているため、劉墉が持つ力を再認識することができます。
また、普通の紙に書くよりも様々な装飾が付いている紙を用いて大きく文字を書くことの方が好きで、濃墨で書かれた作品もいくつか見られます。
現在では「帖学派の雄」とも呼ばれている程、帖学派の中では有名な人物でもあります。
ちなみに帖学派とは中国書道の中でも法帖を使って学ぶことを指しており、主に伝統的な書法を受け継ぐことが重要としていますが、劉墉は新たな一時代を築いていったと言える人物でもあるのです。
中国美術は鑑定が難しい?
そんな劉墉の書を持っているという方はぜひ買取り依頼をしてみてはいかがでしょうか?
ただ、劉墉の書は古書を専門に取り扱っている鑑定士でも鑑定が難しいと言われています。
中国美術は鑑定が非常に難しく、鑑定したにも関わらず贋作だったというケースも少なくありません。
ですから、中国美術の一つである劉墉の書も古書専門というより中国美術に長けた鑑定士に依頼した方が良いでしょう。