骨董品の基礎知識

表装(表具)とは

表装(表具)とは
表装とは、古い書物や絵画などの裏に紙や布をあてがい補強して、書物や絵画に合った装飾を行っていく日本古来から伝わる伝統技術です。書画の本紙の部分を掛け軸や額、帖(じょう)、襖(ふすま)、屏風などに仕立て上げることで、書物や絵画を補強しつつ、新たな一面を引き出すことができます。 表装という技術は仏教が伝わった頃に日本へと伝来したと言われています。中国の晋時代までは壁画などが多かったのですが、布教のために持ち運びやすくなるよう軸や巻物が使われたことで表装が発展しました。日本に観賞用の表装が入ってきたのは鎌倉時代に禅宗から伝わったとされており、禅宗と茶道が結びついたことで、日本独特の大和表装となる真行草の三体様式が確立していきました。 その後、表装は京都でも大きく広がり始めます。京都は神社や宮中、茶道の家元などが多く表具の需要が高い土地であり、西陣織などの良質な素材が調達しやすく気候条件にも恵まれていたことが、京表具の発展につながりました。安土桃山時代以降の作品は保存や観賞を目的に表装がされており、京都を中心としたお寺が多い地域で技術はさらに発展していきました。
目次
  1. 1. 表装を行うメリット
  2. 2. 表具師について
  3. 3. 表装のやり方
  4. 4. プロの表装と個人の表装の違い

表装を行うメリット

表装を行うメリットとしては、保存性を強めることと、鑑賞に最適といった点が挙げられます。
例えば普通に昔の大切な書物をそのまま保存していると、虫食いなどの被害に遭ってしまうこともあります。
しかも書物は観賞用として向いていないため、いつも見ることが出来ない棚の中に納めておくしかありません。

ですが、表装を行うことによって虫食いなどの被害を防ぎながら、観賞用に仕立てることでいつでも部屋の中から立派な書物を見ることができるようになるのです。

表具師について

表装を行う表具師は、表装を行う職人である以外にも襖や障子、屏風などの製作や修理、張替えなどの仕事も行います。
表具師は和紙を貼り合わせることで新たな物を作り出す仕事であり、和紙においてのプロフェッショナルとも呼べるでしょう。

また、表装では美術品も取り扱っているため、美術に関して豊富な知識を持ち、より鑑賞に適する表装にするための形式や配色に関するデザインの感覚にも優れています。

表装のやり方

現在では機械で行う表装と、一つ一つ手作業で行う表装の2種類があります。
品質が高く再修理も行える手作業での表装と、短期間で仕上がり低価格が魅力の機械による表装、それぞれにメリットがあります。
より作品を大切にされている方には手作業での表装がおすすめです。時間や費用がかかる分、仕上がりも良いと言えるでしょう。

簡単な表装に必要な道具は、掛け軸ベースとなる1メートル弱程度の厚紙か画用紙、台紙に貼る本紙と装飾用の色紙、掛け軸を吊るすための棒と紐、両面テープなどです。
これらを含んだキットも販売しています。

やり方としては、まず本紙に字を書き、台紙となる厚紙に装飾用の色紙を覆ってから本紙を両面テープで貼り付けます。
(このとき糊よりもテープの方がきれいに貼ることができます。)
次に台紙の上部に紐と一緒に棒を巻きつけ、糊などでしっかり留めます。
紐の長さを掛ける場所に合わせて調節し、台紙下部にも棒を巻きつけて糊で貼ると完成です。
本格的な表装は習得が難しく、やり慣れていないとなかなか簡単にはできません。

プロの表装と個人の表装の違い

個人で行う表装は手軽さや味が出せますが、長期的な保存には向かないため、きちんとした状態で残したいのであればプロに依頼しましょう。
伝統的な手法で行われる表装は50年後でも修復可能であり、美術品などの長期保存に最適です。

機械による表装はインテリアやプレゼント用途に向いていますが、修復ができないため用途に応じて使い分けることが大切です。

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