備前焼の有名作家

備前焼の有名作家

有名作家の作品というのは、ジャンルを問わず、言い尽くせない感動をもって胸に迫ってきます。
焼き物の場合、その作家だけしか作りえない雰囲気をまとった作品が焼き上げられることでしょう。
備前焼の有名作家というのは数多くいますが、今回はそのなかから、二名の作家を紹介します。

人間国宝、金重陶陽

金重陶陽は、備前焼を語る上で外せない人物です。
北大路魯山人などともかかわりがあり、お互いに影響を受けたといわれています。

わずか五歳のときから焼き物に興味を抱き、十一歳で博覧会に出展、十四歳から焼き物を本格的にはじめ、若くして名をあげます。
当時斜陽気味であった備前焼を復興した人物としても知られており、特に、桃山風備前と呼ばれる手法を現代に引き戻した功績がたたえられています。
六十の年に人間国宝として認定され、死の一年前には紫綬褒章を受けています。

金重陶陽の作風のなかで、取り上げられるべきは、やはり「桃山風備前」と呼ばれる特徴でしょう。
茶器を中心として構成されるこれは、土にこだわって作られています。
華やかさよりも土自体が持つ味わいを大切にして作られた彼の作品は、死後五十年近くが経とうとする今も、多くの人に愛されています。

名人を父に持つ、伊勢崎淳

金重陶陽はすでに亡くなっていますが、現在に生きる人間国宝の名手として、「伊勢崎淳」という作家があげられます。
重要無形文化財に指定された伊勢崎陽山を父に持つ師は、現在的な作風の持ち主です。

備前焼の歴史を踏襲しながらも、黒を巧みに使ったスタイリッシュなデザインを完成させるなど、新しいスタイルの備前焼を完成させてきました。
今までの備前焼とは異なる、モダンで斬新なデザインは、備前焼新しいファン層を獲得する上でも、非常に重要なキーとなったのではないでしょうか。
後進の指導にもあたっていた伊勢崎淳ですが、六十八歳のときに人間国宝に認定されました。

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