木内 克について

木内克とは

木内克は、1892年6月27日に茨城県水戸市に誕生しました。
生家は代々医者の家系でしたが幼い頃から絵が好きで、学校を卒業する20歳の時に中退して上京し、明治時代の彫刻家・海野美盛の元で彫刻を学び、彫刻家として歩み始めました。
その後に朝倉文夫の彫塑塾に入門し、24歳の時に第10回文展にて初入選を成し遂げ、同展では度々入選を果たしています。
そして、29歳の時にフランスへ渡り、パリの研究所で彫刻を極めていきます。
滞在中、木内克は「タナグラ人形」を見て、テラコッタに魅了されました。
テラコッタとは陶器や建築用素材などに用いられる素焼きの焼き物のことで、焼成温度に応じて仕上がった時の色彩が変化する特徴があります。
木内克はおおらかで暖かさがあるところにテラコッタの魅力を感じたようでした。
すっかりテラコッタの魅力にとりつかれた木内克はテラコッタの技術を体得し、東京・上野にアトリエを構え、戦後には創作活動を再開し、力強い彫刻の表現は若い作家に刺激を与えました。

木内克の作風や代表作について

木内克は戦後、松平須美子という女性をモデルに彫刻をつくり続けてきました。
彼は自らポーズを指定することはなく、また須美子自身も木内克の制作精神を理解していたため、彼が精神的に求めるポーズを大胆に披露し、木内克もその気迫を受けつつ、制作を進行していったようです。
彼の作品はとてもエネルギッシュで、奔放さや豊かさ、温かみを感じられるものばかりで、力強い作品は多くの人々を魅了しました。
木内克は人に見せるための作品づくりではなく、真実を再現しようとする未完成な作品ばかりと語っています。
そんな木内克の代表作は「女(1956年)」や「エーゲ海に捧ぐ(1972年)」、「女の顔」などがあります。
また、彼は子どもの頃から動物が好きで猫をたくさん飼っていた時期があり、猫の彫刻作品も多数つくられており、リアルで美しい造形美に猫好きの人にも人気が高いようです。
人々を驚嘆させる作品を手掛けてきた木内克の作品は今でも根強い人気がありますが、贋作も紛れていることがあるので、作品をお持ちの方は一度鑑定してもらうと安心でしょう。

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