磯井 如真について

磯井如真とは

磯井如真は明治から昭和にかけて活躍された漆芸家です。
1883年3月19日に香川県高知市で誕生し、香川県立工芸学校を卒業した後は大阪山中商会で中国漆器の修理などを経験し、漆芸技術を磨いていきました。
1909年に高知へ戻り、製法が絶滅寸前の香川漆器の技術を独自で研究し、復興に尽力しています。
そして、香川漆器の近代化を確立し、讃岐漆芸の中興の祖と歴史的な評価も得ている人物です。
また、母校や工芸研究所では漆芸家の育成にも力を入れていました。

磯井如真の得意とする蒟醤

磯井如真は独学により香川漆器を復活させましたが、香川漆器の技法には彫漆(ちょうしつ)、存清(ぞんせい)、蒟醤(きんま)の3つがあります。
蒟醤はタイの植物の実が名称の由来となっており、磯井如真の得意技法でありました。
この技法は漆を何層も塗り重ね、その上から模様の線を彫っていき、さらに色漆をはめ込んでいく工程を色ごとに繰り返します。
全ての重点が完了したら漆を取り除き、表面を削いで平らにしていく技法です。
さらに、磯井如真は蒟醤の技術を応用し、凸版印刷をヒントに点彫り蒟醤という技法を編み出しました。
従来の技法は線彫りによりくっきりとした線でしか表現できませんでしたが、彫り方を点にすることで強弱のある線ができ、ぼかし効果や深みのある立体感に仕上げることが可能です。
磯井如真は紫綬褒章や勲四等旭日小綬章など数々の賞を受賞しており、また復活させた讃岐漆芸を後生に広める活動に取り組み、その結果、磯井正美や太田儔などの弟子も含め蒟醤で人間国宝にも認定されています。

磯井如真の作品について

磯井如真の代表作には第2回新文展で特選を受賞した「彫漆 石南花之図手箱」や、第12回帝展で出展された「彫漆草花文 鼓箱」などの漆芸があります。
人間国宝に選ばれた人物で讃岐漆芸の第一人者であるため、磯井如真の作品は今でも人気を誇り、また美術的にも高く評価されています。
有名作家の漆芸は高値で取引されやすく、人間国宝である磯井如真の作品も高値になる可能性は十分に考えられるでしょう。

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